14現在、日本経済はサービス化が進展しており、総務省「労働力調査」によると、令和元年における労働の担い手である就業者数に占めるサービス産業(第三次産業)の割合は、全体の7割以上を占めています。ひと口にサービス産業といっても業種は多様で、売上高や成長率、状況などは業態や業種などによって大きく異なります。総務省統計局の「サービス産業動向調査年報2020年(令和2年)」によれば、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響(外出自粛要請や休業・営業時間短縮要請など)により前年比が比較可能な平成26年以降では初の減少となっています。特に減少幅が大きかったのは、「宿泊業、飲食サービス業」(28.1%減少)、「生活関連サービス業、娯楽業」(26.4%減少)、「運輸業、郵便業」(15.8%減少)などでした。これはサービス産業に限りませんが、COVID-19に対する緊急事態宣言等が解除され、現在のところ、新規感染者数が低位で推移しており、経済活動の正常化・回復化が期待されています。今後の状況によって局面は大きく変わり得ますが、将来的に日本経済は、サービス産業の成長や発展に大きく左右されると考えられているため、各業界では従来以上にさまざまな試みがなされています。業種を知ろう◇生活関連サービス/理容、美容、エステティック、クリーニング、冠婚葬祭 など◇娯楽・レジャー/旅行、映画館、トレーニングジム、テーマパーク、カラオケ店舗 など◇自動車・機械・情報通信/自動車整備、機械修理、ソフトウェア・ゲーム・アプリケーション開発 など◇専門・技術サービス/法律相談、広告、建築設計・測量、デザイン など◇その他/警備、ビルメンテナンス、不動産、職業紹介、保険サービス、農業協同組合 など*仕事によっては、従事するために資格の取得が必要な場合があります(理容師、美容師など) 技能・技術、情報など、形のないものを提供する仕事がサービス業です。サービス業には、多種多様な仕事があります。共通しているのは、お客様と接することが多く、お客様の要望にどれだけ応えられるかが重要であるということ。サービスに対する顧客の満足度が経営に直結するため、絶えず自分の力量を磨くことが必要とされる業種です。どんな職場がある?この業界の現状求められる人材とはお客様は技術や接客などのサービスに「お金を払う価値があるか」「払った金額に見合っているか」を常にチェックしています。仮に、みなさんが高校を卒業したばかりで経験があまりないという状況であっても、お客様は社員に対してプロフェッショナルとしての対応を求めます。分からないことをそのままにせず、上司や先輩に助言を仰ぎながら、お客様の要望に応えられるよう、常に気を引き締めて仕事に臨むことが大切です。適性のポイント□ 人と接することが好きな人□ ホスピタリティ精神(おもてなしの心)のある人□ 人が喜んでくれることをうれしいと思える人□ 全体への気配りができる人□ 相手の立場を考えられる人□ 臨機応変な対応ができる人□ 工夫することが好きな人□ ニュースや新しい情報に敏感な人□ 体力・気力が充実している人サービス業お客様の満足を第一に考える
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